とみさわクリニック
トップページ
院長ごあいさつ
当院で出来ること
当院で出来ないこと
診療時間
交通のご案内
受診される方へお願い
カウンセリング
料金について
トピックス
お知らせ
リンク集

・11/4(土)
 …15:00までの診療

・11/16(木)
 …18:30までの診療

・11/18(土)
 …13:00までの診療

・11/24(金)
 …18:30までの診療

・12/2日(土)
 …13:00までの診療

・12/16(土)
 …13:00までの診療

・12/28(木)〜2018年
 1/3(水)…休診

 

摂食障害の診断

―「摂食障害」とは?―
摂食障害といった場合は、体重を減らし、痩せるということに価値を見出して意識的に食事を制限して痩せていく、またその結果普通に食べようと思っても食べられなくなる「神経性無食欲症」(いわゆる「拒食症」)と、このような拒食の反動として空腹でないのにコントロールを失って、とりつかれたように食べ過ぎてしまう、あるいは気分の変動から落ち込んだり、いらいらしたりするのを紛らわせるために、止まらない感じで食べ過ぎてしまう「神経性大食症」(いわゆる「過食症」)とがあります。私(富澤)は精神科医になってから今までおおよそ2000例くらいの摂食障害の患者さんを診てきました。
 

―「摂食障害」の原因と症状―

行動としては「拒食症」と「過食症」は逆のようにも思えますがその根底にはどちらの場合も「食事をコントロールして体重の数値を低く保ち、体型を痩せた状態で維持していなければ自分自身の価値を保てない」という心理があります。

私たちが今生きている文化の中で考えれば、特に若い女性であれば「食事をうまくコントロールして食べ、痩せていたい」と思うこと自体は自然なことだと思います。ですからいわゆる「ダイエット(セラピー)をしたい、している、」ということだけで「摂食障害である」ということはありません。

しかし摂食障害と「普通のダイエット」との間にもしも質的な差があるとすれば、それはその人が「自分の存在価値は痩せた体型、少ない体重ということによってしか保たれない」と考えているかどうかが分かれ目になると思います。

誰でもうまく痩せたいとは思うかもしれませんが、「痩せている」ということにしか自分の価値がないのだとすれば、その人はそこに自分の全存在を賭けて、痩せ続けようとするでしょう。

そしてまた実際に痩せたとしても安心はできず、「もっと痩せていなくてはならない」と思い、心がそこ(痩せ続けねばならないこと)に縛られた状態となります。その結果拒食症の場合はどこまでも痩せ続けることを求め、身体的、精神的に様々な障害が生じます。しかしその人にとっては痩せ続けることにしか自分の価値はないのですから、止める事はできません。結果的に拒食症の場合は生命の危険が生じることもあり、実際に亡くなる事もあるのですが、その人は決して「死のうとして」食べないわけではなく、むしろ反対に「自分の価値を保つ」すなわち「生きる意味のために」食べないのです。

 一方このような価値観で痩せることを求め続け、その結果抑えに抑えた摂食行動がある時反転して爆発的に食べ過ぎてしまうことがあります。一般に「リバウンド」といわれる状態です。これは摂食を抑え、体重が減少した結果、それに対して身体が反応して代謝率(身体に入ってきた栄養をどれぐらいのスピードで燃やすかという割合)が下がり、精神的にも摂食を我慢し続けた反動で起きます。
このような意味で「拒食」の逆である「過食」は意識的にはその人自身が最も避けたい行動に他なりません。本当はうまくコントロールして食事を制限し、その結果痩せた体型を求めているのですから、その反対に食べ過ぎしまい、体重が増え、太ってしまえば、自分の価値はなくなってしまいます。自信をなくし、やる気を失って、落ち込んでしまいます。ですから「過食」の場合は、その人が好きで食べているのではなく、「本当はしたくないこと(過食)が癖になっている」という状態になります。

またこのような意味合いでの「過食」と、必ずしも矛盾はしないのですが、気分の変動が先行し、落ち込んだり、いらいらしたり、という気分の不安定さから、いわゆる「やけ食い」のように過食してしまうこともあります。このような場合、自己否定的な感情、怒り、寂しさなどを紛らわすために過食してしまい、食べているその間だけは嫌のことを少し忘れるのですが、結局は後で後悔する、ということになります。
  

―「摂食障害」はどうなったら治ったといえるのか―

ではこのような「摂食障害」が「治る」というのはどういうことでしょうか?

ひとつには当然これらの表に出ている「症状」がなくなる、ということがあります。

「拒食症」の場合は食事が摂れるようになり、栄養状態が改善して健康な状態になることです。そうなれば当然体重は増えます(元に戻るということですが)。

「過食症」の場合は止まらない感じで食べ過ぎてしまうということがなくなり、空腹が満たされれば食べることが止まり、適切に食べることができれば気分も安定し、結果的に体重も安定します。

つまり「拒食」も「過食」もその症状が治る、ということは「(その人の健康が維持できるような形で)普通に食べられる」ということになります。

しかし「摂食障害が治る」といった場合メンタルヘルスの観点からいえばもうひとつー症状が治るという以上にー重要なことがあります。

それは「拒食症」であれ「過食症」であれ「体重、体型をコントロールしていなければ、自分の価値はなくなってしまう」という心のあり方が変わる、ということです。症状が良くなったとしても、今の文化的背景の中で生きている以上「体重や体型が全く気にならない」ということはないかもしれません。

しかし、体重や体型を痩せて保つこと「だけが」自分の価値の全てではない、となった時初めて、摂食障害は本当に意味で「治った」と言えると思います。その為には自分の価値が体重や体型とは別のところになくてはなりません。その自分自身の存在価値がなければ、「拒食症」の人にとっては症状が治る(結果として体重が増える)ことは、自分自身の価値を失うことになってしまいます。「過食症」の人にとっても食事をコントロールし、体型を痩せて保つことができない限りは自分自身の存在価値はいつまでも達成されない、ということになってしまいます。
 

―「摂食障害」の治療―

ではこのような「摂食障害」を治療するとしたらどのようなことが、医療の中でできるでしょうか。それは大きく分けていえば(1)心理的な治療(2)薬物による治療(3)栄養相談の3つになります。また拒食症であまりにも身体状態が悪く、生命の危険がある時などは上記のような治療を入院で行う必要が生じます。